自転車による事故が増加している大阪府では、平成28年に自転車保険への加入が義務化されました。ここでは、自転車保険への加入義務に対して多くの方が抱く「自転車保険じゃなきゃダメ?共済は?」などのさまざまな疑問に答えていきたいと思います。
大阪で自転車に乗る人は保険に入りましょう!
大阪府では、平成27年に自転車事故の死者数が50人に達し、前年から16人の大幅増という結果に。その内、死者数の約5割が高齢者で、死因の約8割が頭部損傷によるものでした。
また、自転車が加害者となる重大な交通事故では、高額な賠償請求が発生した事例も見られ、2019年4月現在の賠償請求の最高額はおよそ1億円と、個人が支払える金額の範疇を逸脱しています。
こうした状況を受けて大阪府は、平成28年4月に『大阪府自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例』を施行。同年7月1日に、自転車保険への加入を義務化しました。

http://www.pref.osaka.lg.jp/dorokankyo/osakajitensha/より
共済は自転車保険の代わりになる?
大阪でも義務化されることになった自転車保険への加入ですが、加入するのは本当に自転車保険でなければならないのか、それとも条件を満たして入れば共済でも問題ないのか、気になりますよね。
これについて大阪府は自転車保険への加入義務を「自転車利用者は、自転車損害賠償責任保険等に加入しなければなりません。(義務化)自転車損害賠償責任保険等は、自転車を利用中に誤って他人にケガをさせた場合の損害を補償する保険等のことです」と説明しています。
自転車保険の種類 | 保険の概要 | |
---|---|---|
個人賠償責任保険 | 自転車向け保険 | 自転車事故に備えた保険 |
自動車保険の特約 | 自動車保険の特約で付帯した保険 | |
火災保険の特約 | 火災保険の特約で付帯した保険 | |
傷害保険の特約 | 傷害保険の特約で付帯した保険 | |
共済 | 全労済、市民共済など | |
団体保険 | 会社等の団体保険 | 団体の構成員向けの保険 |
PTAの保険 | PTAや学校が窓口となる保険 | |
TSマーク付帯保険 | 自転車の車体に付帯した保険 | |
クレジットカードの付帯保険 | カード会員向けに付帯した保険 |
<参考 大阪府自転車条例:http://www.pref.osaka.lg.jp/dorokankyo/osakajitensha/index.html#Q3>
※表は横にスクロールできます。
大阪府では、上記表に記載されているものを、いわゆる自転車保険とみなしています。
重要なのは「個人賠償責任保険がついていること」です。
つまり、条件を満たしていれば、必ずしも自転車保険でなくても問題なく、共済に加入していれば自転車保険への加入義務を果たしていることになります。
共済だったら安く済みそう?
「最低限の補償だけついていて掛け金が安そうなもの…共済がいい?」
と考える人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、実は共済系の掛け金は自転車保険と比べて特別安いわけではありません。
イメージだけで決めてしまうと、後悔することになるかもしれないので、加入前に掛け金や補償内容などを一度比較しみることをおすすめします。
もちろんプラン内容にもよりますが、比較対象によっては安いどころかむしろ高いこともあるのです。
では、共済の掛け金を実際に見ていきましょう。
会社名 | プラン名 | 月掛金 |
---|---|---|
大阪市民共済 | 交通災害共済B型+個人賠償責任補償 | 166円+100円(年払い) |
交通災害共済C型+個人賠償責任補償 | 250円+100円(年払い) | |
大阪府民共済 | 総合保障1型+個人賠償責任保険 | 1,000円+140円 |
総合保障2型+個人賠償責任保険 | 2,000円+140円 | |
総合保障4型+個人賠償責任保険 | 4,000円+140円 | |
入院保障2型+個人賠償責任保険 | 2,000円+140円 | |
コープ共済 | 医療V1000円コース+個人賠償責任保険 | 1,000円+140円 |
医療V2000円コース+個人賠償責任保険 | 2,000円+140円 | |
医療V4000円コース+個人賠償責任保険 | 4,000円+140円 | |
ベーシックR3000円コース+個人賠償責任保険 | 3,000円+140円 | |
ベーシックR4000円コース+個人賠償責任保険 | 4,000円+140円 | |
全労済 | 傷害安心タイプ | 1,200円 |
傷害安心W(ダブル)タイプ | 2,000円 |
※表は横にスクロールできます。
ほとんどの共済は、主要プランに特約として個人賠償責任保険が付いているため、月の合計は1,000円以上になります。大阪市民共済を見てみると、月々1,000円以内と自転車保険に近い価格帯です。
共済ごとのプランは、補償内容の大きさに比例して月掛金の額も大きくなっていくので、どの程度の補償があれば安心できるか、考えに見合ったプランを選ぶといいでしょう。
共済以外にも、広く比較してから決めましょう
既に共済に加入している方は、今までの掛け金にたった+140円を追加すれば加入できます。しかし、共済以外の自転車保険やその特約を見て、共済の補償内容や掛金に不満があるようなら、十分吟味した上で改めて良さそうな保険に入るといいでしょう。
保険プラン比較表利用時の注意事項については、保険プラン比較表利用時の注意事項をご覧下さい。
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今回のアンケートの詳細については、インターネットを利用したWEBアンケート調査をご覧下さい。
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