和歌山では平成31年(2019年)10月1日に自転車保険の加入が努力義務になりました。
でも、誰が対象で、どんな努力義務があるのか、ちゃんとわかっている人は少ないのではないでしょうか。
どんな保険に入る必要なのかも含めて、しっかり押さえておきましょう。

目次
和歌山県で自転車保険加入が努力義務
平成31年(2019年)10月1日、和歌山県では「和歌山県自転車の安全利用の促進に関する条例」が施行されました。
この条例によって、自転車事故を起こした際の賠償責任を補償する保険である自転車損害賠償保険等への加入が努力義務化されることになりました。
そもそも自転車保険ってなに?という人は、まずこちらをチェックしましょう。
なぜ自転車保険の義務化が進んでいるの?義務の対象者や加入すべき保険は?
和歌山県では努力義務!自転車保険の加入義務化
和歌山県の条例では、自転車損害賠償保険等への加入が努力義務とされています。
その努力義務の対象者は、基本的には「自転車で和歌山県を走行するかどうか」で決まります。
・和歌山県に住んでいなくても、自転車で和歌山県を走行すれば対象
対象者 | 義務 / 努力義務 |
自転車利用者 | △ |
保護者 | △ |
事業者 | △ |
貸付業者 | △ |
小売業者 | △ |
※◯:義務 △:努力義務
ただし、自分で加入していなくても、家族によって自分が補償を受けられるようになっていれば、加入努力義務を果たしていることになります。
和歌山県ではどんな人が対象?
自転車利用者は加入努力義務
自転車に乗る人は、自分が被保険者となる自転車損害賠償保険等に加入する努力義務があります。
以下に自転車利用者の加入努力義務についての条例を抜粋したので、チェックしてみましょう!
第9条第1項
自転車利用者は、自転車損害賠償保険等に加入するよう努めなければならない。
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/031300/d00201203_d/fil/jitennshajourei.pdfより引用
自転車利用者の保護者は加入努力義務
自転車利用者が未成年の場合は、その保護者に未成年者を被保険者とする自転車損害賠償保険等に加入する努力義務があります。
第9条第2項
保護者は、その監護する未成年者に自転車の利用をさせるに当たっては、当該利用に係る自転車損害
賠償保険等に加入するよう努めなければならない。
事業者及び貸付業者は加入努力義務
業務で自転車を利用する企業の事業者や、自転車を貸し付ける企業は、従業員や利用者が被保険者となる賠償責任保険などへの加入努力が求められます。
仮に従業員が個人で自転車保険に加入していても、保険によっては勤務中の事故が補償対象外となるので、こうした対応が必要になります。
第9条第3項
事業者は、その事業活動において従業員に自転車の利用をさせるに当たっては、当該利用に係る自転
車損害賠償保険等に加入するよう努めなければならない。
第9条第5項
自転車の貸付けを業とする者は、その貸し付ける自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入す
るよう努めなければならない。
小売業者は加入を勧める努力義務
小売業者は、自転車を買おうとしている人に自転車保険等への加入を勧める努力義務があります。
第9条第4項
自転車の小売を業とする者は、自転車を購入しようとする者に対し、当該自転車の利用に係る自転車
損害賠償保険等への加入を勧奨するよう努めるものとする。
未加入だとどうなる?違反したら罰則はあるの?
和歌山県では、平成31年(2019年)10月1日より自転車損害賠償保険等への加入が努力義務化されています。
しかし、今までそれに気付かずに、未加入のまま自転車を利用している人もいるかもしれません。その場合、何か罰則が設けられているのでしょうか?
罰則はない
自転車損害賠償保険等への加入が努力義務とされている和歌山県ですが、今のところ罰則は設けられていません(2020年1月現在)。
その主な理由は、保険に加入しているかどうかの確認が難しいからです。
加入努力義務の対象となるような補償は、自動車保険や火災保険のオプションとして加入している場合があります。
また、自分自身で加入していなくても親や配偶者が「家族プラン」に加入している場合もあるので、それぞれの保険加入を証明することは非常に困難なのです。
罰則はないがリスクはあり
なお、これは和歌山県に限らず、すでに義務化や努力義務化されている府県についても同様に罰則規定は設けられていません。
このように、自転車保険の加入義務や加入努力義務を違反しても罰則はありませんが、だからといって加入しなくていいという訳ではありません。ここからは、その理由を確認したいと思います。
未加入のまま自転車事故を起こすと、裁判で不利になるかも!?
「罰則がないなら、自転車保険に加入する必要はないのでは?」と思う人もいるでしょう。
しかし、未加入の状態で自転車事故を起こしてしまったとしたら、思わぬリスクを負うことになるかもしれないのです…。
実は、保険への加入が義務化または努力義務化されているにも関わらず、条例を違反した状態で事故にあった場合、裁判等で不利になる可能性があります。
自転車保険は安い!リスクにしっかり備えよう
最近はいろんな会社が自転車保険を提供しており、自身のケガの補償を重視しないのであれば月々100円から損害賠償補償の付いた自転車保険に加入できます。
ほとんどの自転車保険は自転車事故だけでなく日常の事故の補償もしてくれるので、とくに義務化や努力義務化がスタートしている地域の人は早めに加入を検討しましょう!
【安い自転車保険ランキング】家族で安く義務化に対応!おすすめプランを比較
義務化の対象になるかどうかを具体例で確認
和歌山県の自転車損害賠償保険等への加入の努力義務対象者や内容について解説しました。
続いて、具体例を用いてもう少し詳しくみていきましょう。
〇和歌山県在住ではないものの、来年度から子どもが和歌山県内の高校に自転車で通う
→子どもに加入努力義務があるため、代わりに保護者が自転車保険に加入するように努める必要がある
多くの高校性は未成年者なので、自ら保険に加入することはできません。そのため、子どもの代わりにその保護者に加入努力義務があると考えられます。
◯自転車で和歌山県内の大学に通う
→年齢によって加入努力義務の対象が異なる
・未成年者の場合:保護者に加入努力義務がある
・成年者の場合:自分に加入努力義務がある
未成年者の場合は、先ほどの事例と同様の理由で保護者に加入努力義務があると考えられます。一方、成年者の場合は自転車利用者に該当するため、自ら損害賠償保険に加入する努力義務があります。
〇業務の中で自転車を利用する
→事業者に加入努力義務がある
業務で自転車を利用する場合、事業者(会社)側が自転車保険等への加入の努力義務を負います。
〇自転車をレンタルして、くじらの博物館(和歌山県)へサイクリングをする
→貸付業者に加入努力義務がある
レンタル自転車を利用する場合、貸付業者に加入努力義務があります。
リスクにしっかり備えよう
平成31年(2019年)10月1日に施行された「和歌山県自転車の安全利用の促進に関する条例」の自転車損害賠償保険等への加入努力義務化について解説しました。
未加入でも罰則はないからと放置せず、自分が被害者になった時、あるいは加害者になった時を想定して必ず加入しておきましょう!
和歌山県の努力義務化対象市区町村
努力義務化対象となる市区町村は以下を参考にして下さい。
あなたにおすすめの記事



