日本では2016年にサービスが開始されたフードデリバリーサービス「Uber Eats (ウーバーイーツ)」。
ほとんどの配達パートナーが自転車で配達していまずが、実はUberが配達パートナーにかけている自転車保険には注意すべき点があるんです。
そこで今回は、ウーバーイーツの配達パートナーと自転車保険について解説したいと思います!
目次
日本でもUber Eats (ウーバーイーツ) が浸透してきている!
「Uber Eats (ウーバーイーツ)」とは、2014年にアメリカで設立されたばかりの会社が実施しているフードデリバリーサービスのことです。Uberの他のサービスはまだ日本では実施されていないものの、ウーバーイーツは副業等として日本でも浸透してきていますね!
このように順調にサービスを展開し、急成長しているように思えるウーバーイーツですが、実はたくさんの課題があるんです…。なんでも、その1つが保険の問題なんだとか…。
ウーバーイーツの保険には「自分がケガをした際の補償」と「他人を死傷させた際の補償」がある
ウーバーイーツの配達パートナーの多くは、自転車で配達しています。
バイクや車に比べると安全に思える自転車ですが、自転車も立派な車両であるため事故を起こして誰かをケガさせたり、自分がケガをしたりすることもあるかもしれません。
そんな万が一の事態に備えて、Uberが配達パートナーにかけている保険が「配達パートナー向けサポートプログラム」です。
下の表を参考に、配達パートナー向けサポートプログラムの補償種類と限度額をチェックしてみましょう!
【資料1】配達パートナー向けサポートプログラムの補償種類と限度額
補償種類 | 対人・対物賠償責任 | 傷害補償 | |||||
医療見舞金 | 死亡見舞金 | 葬儀費用 | 後遺障害見舞金 | 1日あたりの入院に伴う見舞金 | 配偶者・被扶養者への見舞金 | ||
限度額 | 1億円 | 25万円 | 1,000万円 | 100万円 | 1,000万円 | 7,500円 | 15万円 |
参考:Uber公式サイト
「対人・対物賠償責任」とは配達中の事故によって他人を死傷させた際や、物品を破損させた際に生じる賠償責任に対する補償のことであり、「傷害補償」とは配達中の事故によって自分がケガをした際や死亡した際の補償のことです。
配達中の事故に関しては、配達パートナー向けサポートプログラムの補償で安心できる
ここで気になるのは、Uberの保険で事故のリスクに対応できるのかどうかということですよね?
ここでは、Uberの保険を「対人・対物賠償責任」と「傷害補償」の2つに分けて、補償の手厚さについて考えてみたいと思います。
まずは「対人・対物賠償責任」に関してチェックしてみましょう。
過去の自転車事故の賠償金の最高額は9,521万円であるのに対し、Uberの補償は1億円となっています。
つまり、対人・対物賠償責任に関しては安心できるといえるでしょう。ただし、今後1億円を越える賠償命令がないとは言い切れないので、その点は注意が必要です。
次は、当サイトが行った自転車事故の治療費に関するアンケートの結果を参考に、「傷害補償」についてチェックしてみましょう。
【資料2】
100人中 | 日額治療費平均 | 合計治療費平均 | |
通院 | 93人 | 3,078円 | 17,597円 |
---|---|---|---|
入院 | 9人(自己負担5人) | 6,440円 | 54,000円 |
手術 | 7人(自己負担5人) | 36,250円 | 36,250円 |
医療見舞金や、1日あたりの入院に伴う見舞金の限度額を見る限り、傷害補償についても安心できるといえるでしょう。
このように、Uberの保険の支払い限度額は「対人・対物賠償責任」と「傷害補償」のどちらにおいても、アンケートの結果を上回ることが分かりました。
ここで、ウーバーイーツの配達パートナーの自転車保険について調べている人の中には「他のサイトの記事と言っていることが違う…」と思った人もいるかもしれません。たしかに、ネット上には配達中の事故に対応できる「施設賠償責任保険」への加入を勧めるサイトもあります。
実はこれ、2019年9月まではUberの保険には傷害補償が付いていなかったことが関係しているんです。2019年10月からは傷害補償が増えたため、他サイトが勧める施設賠償責任保険への加入は必要ないでしょう。
【注意点】Uberの保険は配達中のみ対象となる
補償額的には手厚いと思えるUberの保険ですが、実は注意点もあるんです…。Uberの保険で気をつけるべき最大の注意点は、補償される時間に限りがあるということです!
補償される時間に関して、Uber公式ホームページには以下のような記載があります。
“配達リクエストを受けた時点から配達が完了、またはキャンセルするまでの間に生じた事故に対して適用されます。”
つまり、配達リクエストが来ておらずフラフラしている時などの事故については補償されないということなんです。
ウーバーイーツの配達パートナーに個人で自転車保険に加入するように勧めるサイトが多い理由は、Uberの保険が利かない無保険状態の時間を無くすためなんですね!
必ずしも自転車保険への加入が必要というわけではない
しかしながら、配達中以外はUberの保険が利かないからといって、みんながみんな自転車保険に加入した方がいいかと言ったらそうでもないんです。この理由を説明するために、まず自転車保険の構造について説明したいと思います。
自転車保険は「個人賠償責任補償」と「傷害補償」の2つから構成される
自転車保険と名乗る保険は、基本的に「個人賠償責任補償」と「傷害補償」の2つの補償がベースとなり、これらにその他の補償やサービスが付帯する形式を取っています。
Uberの保険と自転車保険の補償の対応関係を見てみると、
対人・対物賠償責任 = 個人賠償責任補償
となっているので、Uberの保険の「対人・対物賠償責任」と「傷害補償」があれば、わざわざ自転車保険に加入する必要はありません。
つまり“自転車保険”という名称でなくても、自転車保険に相当する補償を受けることができているならOKなんです!
個人賠償責任補償は自動車保険・火災保険・共済でカバーできる!
自転車保険を構成する大きな要素である「個人賠償責任補償」の多くは、
・火災保険
・共済
これらの保険に加入している人は、改めてどのような契約になっているかを確認してみましょう。
個人賠償責任補償特約またはそれに準ずる特約を付帯しているのであれば、自転車保険の個人賠償責任補償に相当する補償を受けることができるといえます。
傷害補償は医療保険や共済でカバーできる
自転車保険のもう1つの要素である「傷害補償」の多くは、
・共済
個人賠償責任補償と同様に、これらの保険に加入している人は改めて契約内容を確認してみましょう。
これらの保険に加入しているのであれば、自転車保険の傷害補償に相当する補償を受けることができるといえます。
【注意点】通常の保険は配達中は適用されない
先ほどUberの保険は配達中のみ適用されると説明しましたが、反対に自転車保険をはじめほとんどの保険は配達中は補償適用外となるので注意しましょう。
これは通常の保険は日常生活を想定した商品のため、事業で運転中は補償されないのです。
配達中はUberの保険で、配達以外の時間は既加入の保険等で対応しよう!
ウーバーイーツの配達パートナーの保険について解説しました。
Uberの保険「配達パートナー向けサポートプログラム」は、補償金額的には手厚いといえます。
しかし、配達パートナー向けサポートプログラムは配達中しか適用されないため、配達中以外を補償してくれる保険については既加入の保険を確認してみる必要があるでしょう。
もし他の保険等で「個人賠償責任補償」と「傷害補償」を受けることができるなら、それが自転車保険の代わりになるため、わざわざ自転車保険に加入する必要はありません。
また、配達中に補償してくれる「施設賠償責任保険」にあえて自身で加入する必要は少ないように感じます。
ウーバーイーツの配達パートナーに興味のある人は、無保険状態の時間を作らないように改めて自身が加入している保険を確認し、必要な保険に加入していない場合は自転車保険を検討しましょう!

保険プラン比較表利用時の注意事項については、保険プラン比較表利用時の注意事項をご覧下さい。
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今回のアンケートの詳細については、インターネットを利用したWEBアンケート調査をご覧下さい。
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